人間で"ぬい撮り"すると生命力が強調できる

最近、ぬい撮り(ぬいぐるみを入れた風景やカフェなどの写真を撮影し、SNSにアップすること)が浸透し、よくTwitterなどで投稿を見かけるようになった。

可愛いくて微笑ましいものがたくさんあるので流行するのも納得できる。ぬい撮り専用ぬいぐるみなども多数発売されており、私もぜひこの流行に乗りたくなった。

また、こういったぬい撮りを可愛く撮るテクニックがyoutubeに上がっていたのを数個見て、このテクニックは人間にも応用できるのでは?人間も可愛く撮れるのではないか?と思った。

ぬい撮りテクニックを個人的に分析し、友人に協力してもらい人間を使ったぬい撮りを行ってみた。

 

テクニックその1 ストーリーを感じるような写真の構図構成

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スカイツリーに来たオラフ(スヌーピーの兄弟)

上の写真のようなぬい撮り写真イメージを目指してみた。

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ぬいぐるみに扮したJuri君

オーストラリア在住の友人、Juriが家に滞在していたので、泊めてあげた代わりにこの企画に協力してもらった。

Juriエストニア出身で、日本がとても好きらしくもう何度も来ている。来日時のお花見で知り合って、逆に私がオーストラリアに行った時に観光案内してくれたり、とても親切である。また、日本人女性と結婚したいらしく、来日の度に彼は女性にお花を買ったり果敢にアプローチしている。ポジティブな性格である。

この撮影の2週間後にもまた来日して秋葉原に行っていた。よっぽど日本好きである。

 

彼にはぬいぐるみに近づくために猫耳をつけてもらい、紙タグを腰につけてもらってスカイツリーを眺めてもらった。ちなみに紙タグには(MADE IN ESTONIA)と書いてある。

右腕をピンと伸ばしているのは、その方がぬいぐるみぽいのではないかとの試行錯誤の上である。ぬいぐるみがスカイツリーを見上げているようなぬい撮り的な人間の写真が撮影できた。

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ぬいぐるみだと可愛くてピタリとはまる

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ぬいぐるみに近づこうとするJuri君
撮影日はとてもよく晴れた土曜日で、近くにビアガーデンも行われており(写真の左側)、人出があったのでやや恥ずかしい撮影だった。

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私もぬいぐるみとして被写体にトライ
ぬいぐるみだと可愛い写真だが、人間になると不思議と変になる。なお、私の腰の紙タグはMADE IN JAPANと書いてある。

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生気を最大限抜いたJuri君
二人で話し合い、生気を抜いた方がよりぬいぐるみぽくて良いのでは、という仮説の上で上記の写真を撮影した。確かにぬい撮りっぽい写真ではあるが、人間はぬいぐるみの可愛さには絶対叶わないため、人間で代理をしたぬい撮り写真は全体的に残念で不思議な感じの写真になってしまうことが判明した。

 

その2 斜めの角度でぬいぐるみが入ってきている

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スカイツリーチケット売り場付近の写真撮影スポット

上の写真のように、斜めの角度でぬいぐるみがニョキッと出ているぬい撮りの写真を多数見かけたため、これもやってみた。

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体を斜めにキープするJuri君

実際、このポーズで体を保って写真を撮るのはきついように思われた。ぬいぐるみだからこそ斜めの撮影の可愛さが実現するのである。
これを撮影している前後、同じスポットでファミリーが多数記念撮影しており、猫耳つけて撮影するのはかなり恥ずかしかった。(SNOWのカメラアプリで耳をつけて撮影するのもアリだなと後で思った。)

 

また、ぬいぐるみ2体の場合でも斜めの場合があるのを発見した。

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オラフとモノクマダンガンロンパ

ぬいぐるみを2体束ねて持つ場合、足元を持つのでどうしても斜めになってしまうのが、斜めの理由だと思われる。

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私(左)と、Josh君の婚約者(右)

二人でもやってみたが斜めでキープするのは相当きつい。右の女性は友人のJosh君の婚約者である。快く撮影に参加してくれた。二人とも、隅田川の欄干を手で硬く掴み、足で突っ張って筋肉でキープして斜めを維持した。ぬいぐるみに近づくためなるべく生気をなくすようにも心がけた。だが顔が少し笑ってしまっている。

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角度をつけて静止するのは相当きつい
右の彼女はかなり斜めっているが涼しい顔をしている。左の私も辛さが顔に滲み出ている。

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立ち位置を前後してみた

アイスを食べたりしながら休憩を挟みつつ撮影にトライしたが、人間の場合は、斜めにして写真を撮ることが、可愛さを助長させられないと言うことがわかった。余談だが、撮影の最中、マイケル・ジャクソンのスムース・クリミナルを連想した。

婚約者の女性は中国出身だったので、麻婆豆腐の話をしていたのだが、 Josh君は、なぜそばかすのある婆が豆腐を美味く作れるのか完全に納得できなかったようだった。

 

その3 ぬいぐるみの足元が写っていない

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スカイツリー墨田区庁舎の前で撮影
上の写真のように、ぬいぐるみ自体の足元が写っていないぬい撮り写真も多数みられた。人間が持って撮影しているため、指が映らないようにするためだと思われるが、これもやってみた。

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Josh君と婚約者
足元は映らないで撮影できたが、ただの記念写真のようになってしまった。

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身長差を揃える試行錯誤の最中の写真(足元に注目)

右側の汗まみれのシャツが友人のJosh君である。今回結婚の段取りのために東京に来た中、その大事な用事の合間を縫ってこのような私のふざけた企画に参加してくれて感謝の言葉もない。 生気がない方がぬいぐるみぽかったように思うが、結婚ほやほやなので愛のエネルギーが満ち満ちていた。

2年前くらいの私の誕生日パーティで知り合って、そのあとちょくちょく東京に来る度に神田でカレーを食べたり上野で日本酒を飲んだりして遊んでくれる気の良い友人である。この日もアイスをおごってくれた(相手の方がおめでたいのだから私が奢ればよかった)。

 

その4 海や湖や川などの水面の方を向かせて後ろから撮る 

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川辺の柵の青いポストの上にぬいぐるみを置いた

ぬいぐるみが物思いにふけっているような、そんな趣のあるぬい撮りを人間で表現できるか挑戦した。

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川沿いに座る私
意味が良く分からない不思議すぎる変な人の写真になってしまった(さすがに私は人間なので川沿いの柵の上のポストには座れなかったので地面に座った)。ぬいぐるみの例に倣って手と足をピンと伸ばしてぬいぐるみを模したポーズにしているのが、不思議さを助長させているように思われる。 
写真におけるぬいぐるみ(=人間)の位置が悪いのかとも思い試行錯誤をした。

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 トライ1 左隅に配置

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トライ2 横から撮影(川が写真にほとんど入っていない)

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トライ3 真ん中に配置

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トライ4 被写体の人種をアジア人から白人に変更
ぬいぐるみポーズをとるJosh君を撮影していたところ、「これを撮影するのであればフォトショップで顔面をぬいぐるみ風にするか、東急ハンズでフルフェイスの顔の猫のカバーのようなものを買って来た方が良いのじゃないのか」と言われた。

 

暑い日に撮影を行なったのだが、汗をかいている=生命力を感じる=ぬいぐるみから遠ざかってしまっている と言うのがよくなかったのだろうか。

 

結論・考察

ぬい撮りを可愛く撮影するテクニックで人間の可愛さを引き立たせるのは無理だった。ぬいぐるみと人間の間には超えられない壁があるようだった。
だが、そのテクニックを駆使することにより、汗だくになったり、筋肉を使って辛いポーズを維持したりなどと、逆に生命力が感じられる写真が多数撮影できた。ぬいぐるみに近づこうと生気を抜くどころか、抜こうとする努力により、逆に生命力が強調されてしまったと言えるように思う。
「スイカに塩」のような理論の結論であるように思うが、これからも人間ぬい撮りの技術向上に邁進していきたい。

 

 

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ぬい撮りして暑くて汗をかいたのでそのあと皆で墨田区のお気に入りの銭湯に行った。すごくさっぱりした。